物流業者向け効率化ガイド!効率化するメリット・方法・事例などを完全網羅

公開日:2025/06/04
効率化

昨今では物流効率化が重視されており、さまざまな企業で効率化を実現するための取り組みが行われています。今回は物流業者向けの効率化ガイドとして、効率化が求められる背景や効率化によるメリットに加え、物流総合効率化法の概要や対象となる取り組み、具体的な事例についても詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

物流の効率化が求められている背景

近年では、物流において業務の効率化を求める動きが高まっています。背景には物流業界が抱えるさまざまな課題があり、効率化を実現すれば数多くの課題を解決することが可能です。ここでは、物流の効率化が求められる背景について詳しく解説します。

ドライバーの人手不足が深刻化しているため

国土交通省の調査によると、トラック運送業で働く従業員の45%以上が40〜54歳であることが分かっています。トラックドライバーの平均年齢は年々上昇傾向にあり、29歳以下の若手ドライバーの割合は10%以下であるのが現状です。

若年層の従業員の割合は他の業種と比較しても極めて低く、数年後・数十年後にはさらに人手不足が深刻化していることが予想されます。また、全日本トラック協会の調査によると、運送業界で人手不足を感じている企業の割合は62%以上にものぼります。トラックドライバーの人手不足の原因として考えられるのは、過酷な労働環境です。

トラックドライバーの労働時間は全業種の平均よりも2割ほど長いことが分かっており、とくに長距離ドライバーは移動時間・労働時間ともに長いことから激務になりやすいです。人手不足の解消には、労働環境の改善が対策のひとつとして求められるでしょう。

インターネット販売の拡大による配送量が増加しているため

近年ではインターネット販売が急速に拡大しており、感染症の流行を受けてインターネットでの買い物が日常となった人も少なくありません。とくにドライバーの負担が大きい個人宅向けの小口配送が増加していることからも、物流現場の業務量が増えて長時間労働につながっています。

また、個人宅向けの配送ではスピーディーさが重視される傾向にあり、トラックの積載量が減少しているのも問題のひとつです。国土交通省の調査によれば、2010年以降の貨物自動車の積載率は40%を下回ったままで推移していることが分かっています

積載率が少ないと荷物を積む・届けるという作業を複数回に分けて行う必要があるため、同じ荷物の量でも業務効率が低下し、時間的コスト・人的コストが余分にかかります。積載率を改善するためには、インターネット販売を含む物流システムの根本的なプロセス改善が不可欠です。

再配達などでドライバーの業務負担が大きくなっているため

最近では、各宅配業者においてインターネット上で荷物を管理できるサービスが導入されており、受取日時の選択や再配達の申込みなどが可能です。

しかし、日時指定サービスを活用していない顧客に対しては不在であれば何度も再配達しなければならないほか、日時を指定したにもかかわらず不在にしている顧客もいます。

再配達はドライバーの業務負担が大きくなる原因のひとつであり、配送コストが余分にかかる点もデメリットです。今後は日時指定できる商品を増やす・宅配ボックスを積極的に利用するなどの対策を取り入れることで、再配達の割合を減らすことが求められます。

物流効率化に取り組むメリット

物流を効率化させることにはさまざまなメリットがあります。具体的なメリットは、以下の通りです。

コストカットにつながる

荷物の運搬には、ドライバーの人件費やトラックのガソリン代、倉庫の管理費用などのさまざまなコストがかかっています。物流の効率化によって運搬業務がスムーズになれば、その分コストを削減することが可能です

質の高いサービスを提供できる

物流効率化のために在庫の管理システムなどを導入すれば、倉庫管理業務の最適化によってサービスの品質向上が叶います。手入力や目視でのチェックからシステムによる作業へと変わることから、ヒューマンエラーが最小限に抑えられるでしょう。

ドライバーの業務負担を軽減できる

物流効率化が進めば再配達などの余計な手間・業務がなくなるため、ドライバーの業務負担が軽減されて作業時間を短縮することが可能です。人件費のカットにつながるのはもちろん、ドライバーの労働環境改善が進めば人手不足の解消も期待できることでしょう

「物流総合効率化法」について紹介

物流総合効率化法は、物流の効率化を目指して施行された法律です。ここでは、物流総合効率化法の概要や改正による変更点、認定基準やメリットについても詳しく解説します。

物流総合効率化法の概要

物流総合効率化法の正式名称は流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律であり、物流に携わる企業の業務効率化をサポートすることを目的として2005年に施行されました。

物流総合効率化法では業界全体の効率化・発展を促すため、対象となる取り組みを行った企業に対して経費の補助や税制優遇などを通した支援を提供します

当法律の対象となるのは、配送・保管など一体的実施に関する取り組み、輸送網の集約やモーダルシフトのように輸送の合理化につながる取り組み、環境への負荷の低減または省力化が叶う取り組み、特定流通業務施設の整備に関する取り組みの4つです。

法改正による変更点

物流総合効率化法は2005年の施行後、3回の法改正を経ています。直近の法改正は2024年であり、物流DX・GX向けのサポートの拡大や特定事業者への規定強化に加え、物流企業社や荷主への努力義務の導入も実施されました。

具体的には、特定事業者は中長期計画を作成したうえで定期的な報告を実施しなければらず、物流総合効総括管理者を配置する義務も課されています。

また、物流事業者に対しては輸送網の集約・ドライバーの業務負担軽減・配送共同化などの努力義務が、荷主に対しては物流事業者との連携・契約条件の見直しなどの努力義務が追加されました。

さらに、2024年の改正では計画書を提出しなかった場合の罰則が追加されたため、計画書がなければ最大50万円の罰則金を支払わなければなりません。加えて、効率化達成に向けた取り組みが足りず、勧告・命令を受けてもなお改善が見られない場合には、最大100万円の罰金が科されます。

具体的な認定基準とメリット

物流総合効率化法で支援対象として認定されるための具体的な基準は、基本方針に照らして適切な取り組みであること・流通業務総合効率化事業を確実に遂行できること・各事業法の欠格事由に当てはまらず許可基準に該当していること・特定流通業務施設の整備において省令の基準に該当していることの4つです。

認定を受けることで補助金の支援や法人税・固定資産税の減税、無利子融資などのさまざまなメリットを受けられます。また、自社の業務の効率化・総合化が叶うのはもちろん、環境に配慮できるのもうれしいポイントです。

物流効率化の具体的手段とは

物流効率化のために有効である具体的な取り組み・対策は以下の通りです。

業務フローの改善

まずは業務フローを見直して、無駄な動き・作業がないかを洗い出しましょう。非効率的な部分を改善して余計な部分をカットすれば毎日の作業がスムーズ化されるだけでなく、これまでよりも少人数で業務を回すことも可能です。

他の拠点と連携して業務を見直す

拠点と拠点をまたいで業務を行う場合、自部門では効率的な作業であっても、他部門では効率化の妨げになってしまう可能性もあるでしょう。そのため、部門ごとに効率化を進めるのではなく、連携して効率化を検討することで企業全体としての効率化を実現できます

物流システムの導入

物流業界で導入できるシステムには、倉庫管理システム・配送管理システム・運送管理システム・ピッキングシステム・EDIなどのさまざまな種類があります。システム導入によって物流の各工程を一元管理できれば効率化が叶うだけでなく、ヒューマンエラーを防いで業務の質を上げることも可能です。

輸送網の集約

通常、物流で運ぶ荷物は倉庫に格納されてから配送先へと運ばれます。倉庫の数が多いとトラックの積載量が少なくなってしまいますが、輸送網を集約して1台のトラックで荷物を運ぶことで輸送ルートも集約されます。その分トラックの台数を減らしたり、ドライバーの業務負担を軽減したりすることが可能です。

モーダルシフト

モーダルシフトはトラックで運ぶ荷物を鉄道・船舶などにシフトすることです。配送距離が長い場合にとくに有効な方法であり、ドライバーの長距離移動の負担を軽減できます。さらに、鉄道や船舶を利用すれば一気に大量の荷物を運べるため、輸送効率アップにつなげることも可能です。

物流効率化に関する取り組みの事例

最後に、実際に物流効率化のために取り組みを行った企業の事例について紹介します。

同業との連携でモーダルシフトを取り入れた事例

ビールなどの飲料物の製造・販売の大手企業2社が連携し、特定エリアにおける飲料物の輸送に鉄道貨物を利用した事例です。これまでトラックドライバーが運んでいた飲料物について利用率の低い路線でのモーダルシフトを実施し、年間のドライバー運転時間を約35%削減することに成功しました。

倉庫作業を担うAIロボットを導入した事例

倉庫業務にAIロボットを導入し、業務の最適化を実現した事例です。これまでスタッフが手作業で行っていた業務についてAIロボットを活用したことで、作業の効率化・生産性の向上はもちろん、収容在庫数を増やすことにも成功しました

まとめ

今回は、物流の効率化について、効率化が求められている背景や効率化に取り組むメリットに加え、物流総合効率化法の概要や効率化の手段・事例についても詳しく解説しました。物流の効率化はドライバーの人手不足やインターネット販売の拡大などが背景として重視されるようになり、効率化を実現することでコストカットやサービス品質の向上などの効果が期待できます。物流総合効率化法は物流効率化に取り組む企業を補助金や税制優遇などの側面からサポートするための法律であり、配送・保管など一体的実施に関する取り組みや、輸送網の集約やモーダルシフトのように輸送の合理化につながる取り組みなどが対象となります。物流効率化の具体的な手段として挙げられるのは、業務フローの改善や物流システムの導入、輸送網の集約などです。

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